■ 総評
参宮橋と初台の間にひっそりと佇むフレンチの名店「ボニュ」で、唯一無二の食体験を味わった。料理・器・空間のすべてに強い哲学とロジックがあり、単なる美味しさ以上の感動を得た。

■ 店舗・空間
この日は貸切状態でのランチ。落ち着いた雰囲気の中、料理と対話するような静かな時間を堪能。器の色・形・材質まで料理に合わせて緻密に計算されていることが印象的だった。
■ 料理
「自然」をテーマにした前菜から始まり、ハーブ含む30種類のサラダは、太陽・空・土・草という世界観が一皿で表現されている。
メインの「体温」では、日本在来牛・見島未経産牛を生きている牛と同じ体温で提供。トリュフと共に、生で食べることのない部位をあえて生で味わわせるという驚きと発見があった。

「ボニュ焼き」は6時間かけて肉を焼き上げる独自製法。柔らかいだけでなく、心地良い食感と力強い旨味が記憶に残る。
キノコリゾットは3種のキノコで出汁と調理用を分け、水・塩・オリーブのみのシンプルな味付けでキノコの風味を極限まで引き出している。
デセールは巨峰のタルト、カカオのショコラタルト、シュー・ア・ラ・クレーム、ナチュラルプリンなど、どれも素材の個性と技術が光る仕上がり。追加で焼き菓子や桃ミルク、ティラミスなども堪能できた。
■ まとめ
ただ旨いだけではなく、料理と感性・論理が高次元で融合する希少な体験。見島牛のボニュ焼きは肉の価値観を一変させる一皿だった。料理・器・空間すべてが芸術的であり、訪れるたびに新たな発見と感動がある。
美味しいとは何かを問い直し、食の本質に迫る名店。
訪問日:2017/08/10
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