■ 総評
有楽町の名店「アピシウス」でランチ。クラシカルなグランメゾンらしい圧倒的な非日常感と、丁寧に積み上げられた正統派フレンチの王道を存分に堪能できる。料理・空間・サービスのすべてが揃い、特別な時間を過ごしたい人には間違いない選択肢となる。
■ 店舗・雰囲気
日比谷・有楽町エリアの地下にひっそりと佇む老舗フレンチ。入口からクラシックホテルを思わせる重厚な雰囲気が漂い、階段を下りた瞬間から空気が変わる。広々としたダイニング、磨き上げられたシルバーと白いクロス。昼でも照明はやや落とし気味で、訪れただけで“贅沢”を感じる特別な空間。
スタッフのサービスも素晴らしく、入店時から「こんにちは」と温かく迎えてくれる。料理の説明やワゴンサービスのタイミングも絶妙。ゲストごとの“特別感”をしっかり演出してくれるホスピタリティはさすがグランメゾン。

■ 料理・ドリンク
最初の小前菜は「白い人参のムースと甲殻類のジュレ ズワイガニ」。口に入れた瞬間、白人参の甘さとジュレの旨味が絶妙に重なり、上品なズワイガニがふわりと香る。食感、香りともに華やかな一品で、最初から心を掴まれる。
パンは三種類、キノコ型のフランスパンはその場が和むビジュアル。バターやオリーブオイルと合わせて楽しめ、食事の進行を盛り上げてくれる。

前菜には「キッシュロレーヌと海の幸のエチュヴェ」を選択。キッシュはアパレイユがとろけるほどなめらかで、ベーコンとクリームのコク、香ばしさが絶妙。エチュヴェには尾長鯛やマダコが入り、火入れも絶妙で、素材の良さがそのまま伝わる。繊細さと贅沢さを兼ね備えた一皿。

メインは「鱈のムニエルと白子のベニエ 焦がしバターソース」。鱈は表面は香ばしく、中はしっとりとした火入れ。白子のベニエは外はサクッと、中はとろけるクリーミーな食感。焦がしバターの香りが立ち上り、魚介の旨味とバターのコクが見事に調和している。まさにクラシックフレンチの醍醐味。
デザートは名物のワゴンサービス。タルト、ケーキ、ムース、プリンなどが並び、どれも美しく盛り付けられる。ハーブティーも6種類からセレクト可能で、自分好みの香りと味で最後まで満足度が高い。オリーブのピクルスも印象的な箸休めとして提供される。

ワインはグラスからボトルまで種類豊富。料理とのマリアージュを重視したセレクトをスタッフが提案してくれるので、ワイン初心者にも安心。
■ まとめ
アピシウスは、クラシックな正統派フレンチの美点を凝縮したレストラン。上質な料理・洗練された空間・心地よいサービス、全てが高次元でバランスしている。ランチでもディナーでも、ここぞという時に選ぶ価値のある一軒。日常から離れた特別なランチタイムを味わいたい人には絶対おすすめ。グランメゾンの真髄を体験できる希有な存在。
訪問日:2024/11/19
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