門前仲町の名店「みかわ是山居」で、天ぷら職人・早乙女哲哉氏による究極の天ぷらコースを堪能した。
骨董品に囲まれた待合室から始まる特別な時間は、食事が始まる前から非日常感を演出してくれる。

おまかせコース
油は太香胡麻油ともう一種をブレンド。軽やかさと香ばしさが共存する揚げ上がり。
車海老(2本)
まずはそのまま、次に塩と天つゆで味の変化を楽しむ。

車海老の頭
香ばしく、海老味噌の旨味が広がる一品。

キス
ふっくらとした白身にサクッと軽い衣。
イカ(2枚)
肉厚で甘みが強く、絶妙な火入れ。
お吸い物
優しい出汁が口中をリセット。

タラの芽
春の香りが口いっぱいに広がる。

うに大葉巻き
濃厚な旨味と爽やかな香りが見事に調和。
赤穂の白魚
繊細な旨味を衣が引き立てる。
メゴチ
香り、甘み、食感の三拍子揃った逸品。

穴子
塩と天つゆで食べ比べ。身はふわっと、皮は香ばしい。

野菜5種(茄子、アスパラ、サツマイモ、しし唐、椎茸)
特にアスパラの甘みとしし唐の独特の風味が印象的。
かき揚げ(天丼・天茶)
天茶は軽やかで、コースの締めに最適。

デザート
丹波黒豆のゼリーとあんみつ風甘味。上品な甘さで締めくくる。
■ 総評
「みかわ是山居」は、食材の持ち味を最大限に引き出す火入れと、軽やかな衣のバランスが秀逸。
早乙女氏の揚げる天ぷらは、香り・食感・旨味がギリギリの限界で交わる美食の世界。
雰囲気・器・技が三位一体となり、記憶に残る天ぷら体験を提供してくれる。
訪問日:2024/02/20
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