■ 総評
銀座の肉割烹「肉屋田中」。和の伝統と現代的な調理を融合した、一流の肉料理が味わえる。お肉はもちろん、魚介や季節野菜まで抜かりない。カウンター越しに繰り広げられる料理人の技を目の前で堪能できる、まさに“肉を極める”特別な一軒。贅沢な肉体験を求めるなら外せない。
■ 店舗・雰囲気
銀座らしい洗練された和モダン空間。
接待向けの個室とライブ感溢れるカウンターがあり、今回はカウンター席で。
席に座れば目の前で丁寧に調理される様子を眺められ、食事への期待感が高まる。
サービスもホスピタリティに溢れ、器やカトラリーの交換も細やか。

■ 料理・ドリンク
八寸は津居山せいこがに、神戸牛八幡巻き、ボタン海老昆布締め、余市あん肝、クワイ煎餅、春菊・セリのスダチ添え、玉子焼き。肉割烹とは思えぬほど、和食としての完成度が高い一皿からスタート。

椀物は、蓮根もちと蒸し鮑をすっぽんと神戸牛の出汁で仕上げた深みのある味わい。白ワインと相性抜群。
お造りは日間賀島産とらふぐの昆布締め、神戸牛の刺身、キャビア添え。ふぐは一週間熟成させて旨味を凝縮。キャビアの塩味が贅沢なアクセント。

揚げ物はトラフグのあらを神戸牛の牛脂と太白胡麻油で唐揚げに。醤油下味で衣の風味も格別。
焼き物は神戸牛雌牛のタン。火入れと休ませを繰り返し、最後に藁で仕上げ。旨味が凝縮し、口の中で爆発する感動的な味わい。
赤身は内もも。強めの昆布締めから軽い漬けに。アルバ産白トリュフをたっぷりと削りかけて香りを纏わせる。


しゃぶしゃぶは神戸牛サーロイン。脂を丁寧に取り除き、繊細な火入れで。下には2キロの天然トラフグ白子、東京三つ葉添え。出汁の奥深さに唸る。

箸休めに巣立ちの冷麺。すっきりとした味わいで、肉料理の合間に心地よいリセット。
メインは48ヶ月飼育の松坂牛シャトーブリアン。しっとりとした肉質、気品と軽やかさを兼ね備える。

お食事は筍ご飯と、そして神戸牛を贅沢に使った牛丼。これほど上質な牛丼は他で味わえない。
デザートは千葉県産の大きな苺。最後まで贅沢なコース構成。
ワインやシャンパンも多彩で、料理とのペアリングも秀逸。全てが高いレベルでまとまった、肉割烹の最高峰。
■ まとめ
肉料理の極致と和の美意識を体現した「肉屋田中」。肉好きはもちろん、和食好きにも刺さる一軒。価格は高いが、その価値は十二分。記憶に残る特別な夜を演出してくれる銀座の名店。
訪問日:2019/12/16
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