高級タネと大将の個性が光る極上鮨体験

雲丹食べ比べ 寿司

■ 総評
中目黒の「鮨 尚充」は、極上のタネを惜しみなく使い、圧倒的な握りの連打と遊び心溢れるつまみで“鮨の今”を体感できる一軒。
素材選び・仕入れのこだわりと、大将の人柄、独自のセンスが一体となり、唯一無二の鮨エンターテインメントを提供している。都内屈指の高級鮨店の中でも、タネの質と満足感はトップクラス。

■ 店舗・雰囲気
中目黒駅から少し歩いた場所にあり、落ち着きのある和空間。
L字カウンターには、遊び心の効いたインテリアや小道具も並ぶ。
スタッフのユニフォーム(スキンヘッド&ねじり鉢巻)や、大将のコックコートなど、演出面も含めて個性派揃い。

■ 料理・ドリンク

最初に、シジミのスープ。
旨味が凝縮され、胃が目覚める一杯。

愛媛産白甘鯛・北九州赤雲丹入り。
鯛は半透明でとろけるような食感、雲丹の甘みと一体に。

白甘鯛

つまみと握りが交互に登場し、Ipadでお酒を選べるシステム。
初手は「I love sushi」。ラベル買いしたくなる可愛さ。

・佐島の活タコ
・枝豆
・長崎の岩牡蠣
・佐渡ののどぐろ
・墨イカ(一匹で一貫、キロ2万クラス)
・チーズといぶりがっこ
・根室の毛ガニ
・石垣貝(柑橘香るフルーティーな貝)
・いくら(旬の走り、爽やか)
・新子、コリンキー(皮ごと食べる生カボチャ)

スミイカ

握りの間に挟まれる創作系のつまみはどれも独創的。
雲丹肝醤油×黒鮑×赤酢シャリは口に入れた瞬間に恍惚。

新イカのゲソも柔らかい部位だけを使用し、贅沢な一品。

酒のチョイスも楽しい。
「パンダの旅」「天吹Ultra Dry」「御坊」「うきうき」など、ラベルや名前で遊ぶ楽しみもある。

カツオの漬け握り(マスタード乗せ)、紫雲丹握り(1箱7万円級)、
唐墨と餅、山幸の中とろ(大間産)、大とろ、宍道湖のうなぎ、車海老、北海道のイワシ・アジ、赤雲丹、対馬の穴子…

アジ
イワシ

どのタネも最上級。切り付けや包丁の入れ方にも職人技が光る。

玉子焼きや沢庵、ザーサイ、茗荷やワカメなど、箸休め的な品も一切の妥協なし。
塩は「六助の塩」使用、ヴィトンケースの小道具使いも洒落ている。

■ 体験・印象
一品ごとに、食材の個性・質感・温度が完璧にコントロールされている。
ネタごとに最適な仕込み・包丁・味付けを施し、同じ魚でもここでしか食べられない味わいに昇華。
酒も食事も“遊び心”を持って楽しませてくれる。
大将の人柄も抜群で、鮨好きからエンタメ好きまで幅広く刺さる名店。

■ まとめ
「尚充」は、高級店の枠を超え、鮨の“今”をライブ感と共に味わわせてくれる場所。
食通も唸る極上のネタが惜しげもなく並ぶが、雰囲気は意外に明るく親しみやすい。
「本当に良いものを食べる人に来てほしい」という大将の言葉通り、
都内で“寿司の進化”を感じたければ絶対に外せない一軒。
21時スタートの遅い回は終電要注意だが、鮨好きなら一度は体験すべき鮨エンターテインメントだ。

訪問日:2017/08/12

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