■ 総評
東麻布の「天本」は、カウンター8席のみのミシュラン二つ星、食べログGOLDにも選ばれる超人気鮨店。運良く招かれ、一期一会のスペシャルな夜を堪能できた。握りの完成度はもちろん、摘みやご飯もの、シャリとネタの相性、サービス、すべてが高次元で融合。まさに「天にも昇る」ほどの体験だった。
■ 店舗・空間
カウンターは8席のみ。木の温もりを感じる上質な和空間で、料理に集中できる。料理人との距離感も絶妙。
■ ドリンク
シャンパンで乾杯し、白魚・マコガレイと合わせて日本酒が進む。長珍ささにごり生、今西純米吟醸、新政No.6 X-type Essenceなど、酒のチョイスも一流。
■ 料理
桑名の白魚でスタートし、天然ホタテ・いか・牡蠣・このわたと続く摘み。十三湖しじみの茶碗蒸し、山口の白子など一品料理も日本酒と相性抜群。対馬アカムツ「紅瞳」ののどぐろご飯はとろける脂と上品な旨味がご飯と完璧にマッチ。
■ 握り
東京湾のヒラメは身の美しさと艶が印象的。唐津のヤリイカは包丁が織り成す芸術的な食感。サクラマスの漬けはとろける脂と香り。こはだは三日寝かせ、サイズ・旨味とも理想的。サワラ（五島列島）、金目鯛（鳥羽）、サバ（箕島）はいずれも脂と旨味のバランスが秀逸。トリガイは極上の甘味と食感、最高レベルだった。
中盤はマグロ三種が連続し、ねっとりとした赤身・中トロ・大トロが至福の流れを作る。車海老は天本名物・飛び出す尻尾が迫力抜群。ウニも新鮮で雑味ゼロ。対馬のあなごは上品な香りとふわっとした食感。ラストはデザートの玉子で締め。
■ まとめ
鮨ファン垂涎の予約困難店で、鮨の頂点を味わった一夜。シャリとネタの一体感、技術、空気感、全てが唯一無二。ここでしか体験できない幸福な時間が確かに存在する。どの一皿も記憶に残る珠玉の味わいだった。
訪問日：2018/02/22
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